「びっくりした、出かける支度したっていうから。丸の内とか近いと思ったけど」
『ううん、横浜来たかったから。その方が良かったでしょ?』
「まあ、どこでもいいんだけど。中華食べて紹興酒もいいけど、おのぼりさんみたいだから、どうする?」
『ろくなものを食べてないのは知ってるでしょ。おまかせします♬』
意表を突いて実は絶品なとんかつか、はたまた、元町でうなるピザか。
それともなにげなバーでピンチョス的なのをぱくつきながらバーボンソーダとかなのか。
違うな。
『ここって… ある意味有名なホテルのバーよね?』
「ある意味もどの意味でも有名、さ、すわって。」
「最初に、ヴィシソワーズみたいなスープ、ちょこっと彼女に出してください。そしてアスパラガスがあればほんのちょっと茹でて、ソースはおまかせで。僕にはナッツで。
僕はジンリッキー、彼女にカクテルを」
『どんなカクテルにしてくれる?』
「えーっと、ショートで、シャンパンとしぼったイチゴと。それに小さくスライスしたイチゴをたーくさん載せて。1杯目だから粉砂糖上に散らしたやつ。ミント添えて、フチにソルトお願い。」
かしこまりました。
『なんていうの?これ。』
「スターダストレビュー。横浜バージョン。」
『昔から有名なのね?』
「いいや、今僕が作ったから、きみにしか有名にならないよ
」