「キボン」を出た後にマルさんが「もう1軒行こう」と連れてってくれたのは、老舗の「ねも」だった。
マルさんもバーボンソーダが好きで僕も好きで、ふたりして「101」(今はもう無い、中目黒の伝説のバー。ミツヤさんがやってた)や「about」(今はもう無い、西麻布の知る人ぞ知るバー(笑)。セイキちゃんがやってた)で「バーソーもう1杯、バーソーバーソー」と頼みまくってた。
3000本ほど並んでいるという酒のストック。
見たこともないようなラベルの酒が、どんどん出てくる!
「出てくる」というのは、ここんちのバーテンダーさん(たち)は、正統派の店によくある、決してお客の会話に割り込まない寡黙なタイプの真逆で(笑
テレビショッピングのように、「香り、風味、お好みを言ってくだされば、何でもお出しします」という奨め方をしてくれた。
と、フードも充実しているそうで、言ってくれればフルコースでも作って出してくれるんですと。
ドライに加工したキウイとかの工夫が面白い。
と、次から次へと、薫り高いスコッチとかが注がれてゆく。
のだが、ここは浅草、幇間(たいこもち)の本場だ。
僕が調子に乗って何十年物とかをグビグビといただくわけにはいかないので、101では泰年さんがとても感じよくて大好きで、そのかわりに売れ始めた頃のキッペイとかいう人はイヤそうな顔しててどうのとか、懐かしい思い出話に花を咲かせる。
バーテンダーさんが「これはこういう由緒あるお酒でして…」と語り始めると、『でも、お高いんでしょう〜?』とつっこむのが流れになってきた(笑
「マラカナII」(今は無い、六本木の伝説のブラジル料理屋)でアスレタのユニフォームをずらり飾ってあげたの、あの女性オーナーキヅキヤエ氏は見事に頂いちゃった感じですよね〜と言って、当時バッカみたいに飲んでたカイピリーニャを老舗でいただくとどんなもんか試してみた。
(マルさんいわく、ブラジルではピンガにもいろいろあって、これは違うとかのウンチクを披露)
さんざん高い酒を飲んだ後、僕はシメを「名前が入ってる酒なんで、I.W.ハーパーのソーダ割りで。高い方のクリスタルのじゃなく、普通のハーパーで」と頼んだ。
マルさんも『俺も基本に返って、ジャックだな、ジャックソーダ』と、バーソー大会に戻った(笑
「マルさん、ブラジルW杯行きましょうよ。これが最後のワールドカップって感じがするんですよ。チケット取れますかね?」
『うん、いいよ、取れんじゃないの。あ、でもあいつら空港とかまだ全然作って無いよ(笑』
心ゆくまで飲んだっちゅーのはこういう夜のことで、それは美味しいお酒や空間ももちろんなんだが、マルさんは成功した今でも、気取らず驕らず、変わらないサッカー小僧のままだった。
ごちそうさまでした&また、一緒にフットサルしましょう♪