公民館の上階・屋上で津波を避けて、幼稚園児から老人までが夜明かししたお話、見応えがありました。
ロンドンにいる息子からのツイートが拡散されて、東京都庁がヘリ出動というエピソードも、記憶を新たにしてくれました。
上地雄輔くんも山本裕典くんも、その他出ていた役者さんそれぞれが良い持ち味を出していましたが。
やはり
余貴美子さんと原田美枝子さんのおふたりの先生の演技が図抜けて響いてきました。
不安な夜に、誰もが自己チューになり、(特にわがままな母親たちと、頑固な老人)空気が悪くなった時に、卒園式で歌うために練習を重ねた曲を、園児達が歌い始めて、大人達が「あぁ、私利私欲でわめいている場合じゃ無いなあ」と気づかされる場面がありました。
「いつのことだか~思い出してごらん~♪」で始まる、園児達が幼稚園生活を振り返る時に歌う、あの歌、『思い出のアルバム』という曲です。
歌が進んでゆき、冬にさしかかったところから、美枝子先生は不安になり始めました。
そして、
「やめで!」と大声を出し、子供達は泣き始め、この歌は終わり。先生は屋上にと出ていってしまいました…
この、「今はダメでしょ」と先生が思ったのは、歌詞のこの部分がやってくるのを、止めたかったのでしょう。
♪冬のことです 思い出してごらん あんなこと こんなこと あったでしょう
寒い雪の日 暖かい部屋で 楽しい話 聞きました
ーー
先生の気持ちもわかる。そんな深いこと考えずにみんなで楽しくなれるように歌った園児たちのこともわかる。
どうにも切なくなって、泣いてしまったシーンでした。
(「僕のいた時間」で、医者にならなかった長男にも慈愛を見せ始めた時の原田さんと、かぶって見えました)