最終話に、八千草薫さんと山本學さんを持ってきた時点で、なんだかもう、良い映画みたいに素敵だった。
自らが爆風に吹っ飛ばされても「奥様!」と安否を気遣いに向かう、福家警部補を素敵だと思った。
在外公館勤務中に、何があったのかは分からないが、「人を殺したい」と思っても、警察官としてひとつでも犯罪をなくそうと努めるその態度が素晴らしい(キャリアなのに…)。
毎回の冒頭でわかっている犯人を追い詰めるスタイルには、洞察力観察力が必要で、檀れいさんのそのコロンボぶりは悪くなかったと思う。
余計なお世話だが、外食ばかりで白いごはんが大好きな福家さんは、寝ずに捜査ばかりしているとそのうち身体を壊すだろう。
ぜひ、野菜もたんぱく質もバランス良く摂って欲しい。なんなら喜んで作って差し上げたい。
ついでに、コートも1着しか持ってないし、マフラーもその他の服も現場に出っぱなしで数が少ないから、ファブリーズとかしてあげたり、ガンガン洗濯してあげたい。おまけに、もう少し服を買ってコーディネートしてあげたい。
そして、世の女性たちがブーイングする「金麦」CMそのままに、勝手で気の強そうだが愛嬌にあふれた彼女が気ままにふるまうのは、国家治安のためにも大切である。
つまり、福家さん無しには真犯人はほとんど捕まらないわけだから、日本を代表する名刑事なわけだ。
福家さんをもっとたいせつに。
彼女には、絶対に、家事・健康・清潔で印象の良い身なり・たまには笑って精神の安定とかを管理する「奥さん」が必要なわけで、望まれれば僕がその役を買って出ましょうということだ(笑)
冗談はさておき。
メガネを外して病院のベッドに横たわった福家さんは、「その日の前に」で病床にある彼女と同様に、とても美しかった。
そして、メガネをかけてから、老夫婦の死を知って昇進取り下げをゴロちゃん警視から聞いて、彼が去った後に老夫婦を死なせたことが悔しくてたまらずベッドを叩いた時には、いつもの福家さんに戻っていた。
エンドロールが出終わっても、DVD発売の告知も何もなく。これは続編も映画化も無く、ただただ観ているこちらに何かを考えて欲しいのか。
(主要キャストは3人のみだから、割と簡単に次作も制作できるのに!)
その、稲垣吾郎警視だが、彼が今まで出たドラマの中では最も好演したと思っている。
願わくば、このドラマや「キントリ」や「隠蔽捜査」などがデフォルトになって、警察官は皆崇高な理想に日夜邁進する素晴らしい職業で、キャリアならばなおさら!という国民の評価に応えるべく、頑張って頂きたいと本当に心から願っております。