ジュンペイさんはいつも、店に来ている客層・好みに合わせた曲を歌って、場を盛り上げていた。
人が歌っている時には、自前・持ち込み&常備してあるパーカッション(太鼓)を律儀にずっと叩いてくれたり、ハモってくれたり。
美空ひばり曲が抜群に上手で、最初に自ら歌い始めて(あっためておいて)、マイクを他のお客さんに渡して気持ち良く歌わせるという技の持ち主でもあった。
頼まれてないのに(=自分の趣味で(笑)下ネタを歌に織り込み、チカさんにこっぴどく怒られてもいた(その後、チカさんはチカさんで下ネタ言うのだが…(笑)
「俺は、昔バンドやっててよぉ」と、その当時の話をカウンターでよく聞かされた。
今では珍しい、すぐそれと香りで分かるグリースで固めたリーゼント。
僕もあれこれとモノマネして歌うので、「次までに俺も勉強して新しいの仕入れとくからよぉ、また一緒に歌おうよ、先生!」と言ってくれた^^
この人は魔法のポケットのように、かばんにいつも駄菓子を入れていて、絶妙のタイミングで「はいこれ!」と配ってくれたっけ。
スナックで、来ているお客さん同士が一緒に楽しめるようにササッとみんなをつなぐ達人、こういう人のおかげでお店の空気がぱっと華やぐわけでした。
「洗い物のスポンジはよぉ、グラスとその他のもので分けなきゃいけねえんだぁよ。前、川奈で入った店でビール飲んだらそのグラスがプーンと魚のにおいがしてなぁ〜!」とか、文字にするとさほど面白くはないような内容なのだが、この人が表情豊かにしゃべり始めると聞き入ってしまうという不思議な力を持っていた。
最後にお会いしたのは8月8日の灯篭流しの夜。
みんなして伺いますと告げたら、チカさんがジュンペイさんを呼んでおいてくれていて。
いつものように、一緒になってハジけさせていただきました♬
と、思い起こせば僕が今年スナックで飲んで楽しく過ごしたのはこの晩が最後でして。
数日前にチカさんとのやりとりで、「ジュンペイさんが亡くなった」と知らされまして、絶句しました…
若すぎる、早すぎる、ガンの怖ろしさよ…
とりあえず、献杯で酒を浴びるほど、とは、しないで、レモンソーダで献杯して、お目にかかった時のことをあれこれ自分の中で整理しています…
と、書いていて、なーんだ、先輩、僕が「ちょっと灯籠流しして&見てきます、すぐ戻ってきます」って約束して守ったのに、今度は自分が流れてっちゃったってことね、先に…
一緒に過ごした楽しい時間をありがとうございました。ご冥福をお祈りします。