フリーターにはなったことは無いが、二宮和也演じる25才男子は、かつて通った道。
だから、グサグサと来る部分がものすごくあるドラマである。
「二宮出演作品なら全部好き」というひいき目はあるにせよ、ほんの少しだけこの内容で惜しいなと思う部分は;
●父親がステレオタイプなモーレツサラリーマンとして描かれ、悪い意味の「古き日本の男」に(今のところ)とどまっている。
くらいでしょうか。
ニノ君演じる誠治の、仕事に対する姿勢だのは、その年代を通り過ぎた自分からしてみると:
■企業研究をもうちょい深くやっといて、(最初の大手が)古い教育システムやおべんちゃらや割り勘文化だと把握(&イヤならそこに勤めない)しとくべきだった。
(が、しかし、配属される部署によっても違いはあるし、過ごしやすくて最高!なんて会社はそうそう無いのだが…)
■次の就職先が決まってから辞めるべきだった。
(安全を考えればそうなのだが、自分も「じゃ、辞めます」と啖呵を切ったことは、ある… その後相当苦労したな…)
まあ、ようやっと「仕事の意味・達成感」も昨日の2話で見出せたとも思うんで、誠治くんには仕事頑張ってもらうとして。
怖ろしいのは隣人(坂口良子)だ…
噂話好き(しかも捏造して広める)、陰湿な嫌がらせ…
(だいたいアンタは「前略おふくろ様」の時からショーケンに惚れていながら何もさせなかったあたりからどーも歪んでた…(笑)
僕が一番たまらないのは、お母さん。
人間の心は、いともたやすく傷つき、壊れる。
「自分がしっかりしないから」とか「オマエのせいだ」なんぞは言語道断で。
原因を作った周りは、その要因を少しずつそーっと取り除いてあげるしかない。
お母さん(浅野温子)がごめんなさいごめんなさいと謝り続けた1話のシーンで涙が止まらなかった。
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25才の夏に会社辞めて、何の仕事がしたいのか夜通し考え続けて答えが出ないから昼まで寝てて、メシ作ってもらって「いいとも」観て、大好きな「空飛ぶアメリカンヒーロー」のビデオ観てると『うまくいかないものねぇ…』と横で言う母親に「オレだってこういうドラマ観て、良い明日がきっと来ると信じて頑張ってんだよ!」と説教したあげくに、国からもらった金を握りしめて新宿や渋谷のなじみの店に飲みに行って「ここで雇ってくれないすかねぇ?」とか真剣に頼んでいた自分が想い出される…
お母さん、ごめんなさい。本当にすみませんでした。